さとやまノート中里エリアイベント
水が巡る清津峡集落で、自分を巡る「水のリトリート」を開催しました。
2024.10.10
今や年間30万人を超える方が訪れる、新潟県を代表する観光スポット「清津峡」。
日本三大峡谷のひとつであり国の名勝・天然記念物にも指定されている峡谷に加え、2018年に鑑賞するための渓谷トンネルが大地の芸術祭作品としてリニューアルされ、現代アートと雄大な峡谷美の織り成す世界観が広がります。
今回は、この雄大な清津峡を抱える小出集落を舞台に[リトリート]を行いました。
リトリートって何?
リトリート(Retreat)は、直訳すると「退却・撤退」という意味の言葉ですが、近年では「日常を離れてゆったりと過ごし、自分自身と向き合う旅のスタイル」として広がってきています。
十日町市を含む3県7市町村からなる雪国観光圏と新潟県では、この地独自の「雪国リトリート🄬」として商品開発に取り組んでいます。
- 「雪国リトリート🄬」公式ホームページ
https://snow-country.jp/retreat/ - 「雪国リトリート🄬」Instagram
https://www.instagram.com/yukiguni_retreat/
舞台は清津峡小出集落
今回のリトリートの舞台となる小出集落は、清津峡と清流・清津川を抱く集落。山肌のあちこちから湧き水が流れ出て、また小さな小川になってまた分岐して、最後は清津川に合流します。
この場所でのリトリート発案者は、雪国リトリートガイドであるJさんと伸子さん。
お2人ともこの小出集落をフィールドとし、お宿や飲食店などを営んでいます。
![]() 雪ふる食堂・雪ふる宿を営むJさん |
![]() 谷ハウス板屋を営む伸子さん |
ガイドの詳しいプロフィールは、こちらをcheck!
当日の様子をレポート
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窓沿いに清津川で拾った石が並んでいます。
まず集合したのは、Jさんの営む「雪ふる宿」のコミュニティスペース。大きな窓からは清津川の流れを肌で感じることができます。
ここで参加者の方は、清津川で拾ってきた石に「水から連想するワード」を書いてもらいます。「恵」「青」「命」「浄化」などなど…皆さんそれぞれ思い付くワードを自由に書き出します。
この石が何につながるか、お楽しみに♪
【種まき】の時間
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和やかな雰囲気でスタート。
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今日の名前を書き、皆さんがわかるように貼っていただきました。
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「山」と書かれた石。文字だけでなく石の形や色に惹かれたという声も。
リトリートにはいる準備運動のような場を【種まき】と呼んで、自己紹介やこの場の説明、ガイドオリジナルのワークを行います。
参加者とスタッフ全員が顔を見合わせるよう円形になり、リトリートが始まります。
今回【種まき】のガイドを務めたのは伸子さん。
大好きな詩を交えた伸子ワールド満載の、素敵な種まきの時間がスタートです。
とても特徴的だったのが、今日の名前を付けるワーク。
はじめにみなさんから書いてもらった「水から連想するワード」を直感で一つ選び、それが今日の名前になります。
「恵」さんに「浄化」さん、「いのち」さんなど、今日一日は本来の名前を少し置いて、違う名前で過ごしていただきます。
水を巡って集落さんぽ
次は小出集落を巡る集落さんぽに出かけます。
小出集落に暮らす山本ヤスヨシさんと合流し、いろいろなお話をききながら集落の水源を目指し歩きます。
地元ガイドの山本ヤスヨシさん。優しい笑顔が印象的。
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集落の高台にある諏訪神社へ
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ガイドのお話を聞いたり、黙々と歩いたり。2時間がっつり歩きました。
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集落の一段上の「オバラ」で一休み。雲海が山にかかり幻想的です。
集落のお母さんお手製のお弁当
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宿の中はジブリの世界に迷い込んだような、不思議な空間。
おさんぽ後に到着したのは、伸子さんの営むお宿「谷ハウス板屋」。築150年の古民家を自分たちでリノベーションしたノスタルジー溢れる雰囲気。
まずは腹ごしらえ、ということで用意されていたのがこちらのお弁当。集落のお母さん方がこの日の為に作ってくれた特製弁当、紫蘇ジュース付きです。
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お手製のお品書きからも思いが伝わってきます。
一つ一つが丁寧に味付けしてあり、身体にしみわたる美味しさ。ゆっくり味わいながらいただきました。
お品書きにある「醤油煮芋」に「しょうにいも」とふり仮名がふってあります。地域独自の呼び名のようで、こんな小さな心配りからもお母さん方のおもてなしの想いが伝わってきます。
1人で過ごす【ソロタイム】
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清津川の流れを肌で感じながらソロタイム。川の一部に溶け込むかのような時間。
食事の後、少し休憩をはさんで地炉の間に集まっていただきました。
次に行うソロタイムに向けて、リトリートガイドJさんからお話をしました。
「あなたにとって自分を巡るとは?」
今回のプランの副題にもある「水を巡る集落で、自分を巡る旅」に沿って、この問いを参加者に投げかけました。
その問いをもって、1時間半のソロタイムに入ります。
ソロタイムの過ごし方は人ぞれぞれ。
清津川に下りてぼーっと過ごすもよし、ひたすら散歩をするもよし、
身体の赴くまま、一人きりで過ごしていただきます。
振り返りの対話
ソロタイム終了後は、みんなで集まり今日の振り返りを【対話】で行っていきます。
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地炉の間で集まり、振り返りの対話がスタート
みなさんは日常で【対話】をすることがありますか?
雪国リトリートの対話では、難しいことを話す必要はなく、感じたことを素直に言葉にしてもらっています。
そして周りの人はしっかりと聴く。否定も肯定もせず、ただしっかりと耳を傾ける時間をとります。
感じたことを言葉にすることで気づくこと、
他の参加者の目線や感じ方を聴くことで新しい発見をしたり、自分との違いを認識したり。
【会話】ではなく【対話】をすることで、参加者の話に耳を傾け、自分自身の内側にも耳を傾ける時間となっていきます。
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少人数で感じたことをシェア。グループを変えながらいろんな人と対話を行います。
たっぷりと対話の時間をとり、予定通り17時にリトリートは終了となりました。
清津峡渓谷・水のリトリート
今回は清津峡での初めての実施ということで、体験会として実施をした水のリトリート。
今後はより多くの方に参加していただけるようにプラン化し、継続的に清津峡でのリトリートの場を作っていく予定です。
気になるな、と思った方は雪国リトリート公式Instagramをフォローしてみてくださいね。
https://www.instagram.com/yukiguni_retreat/
この記事をかいた人
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まーさん
十日町生まれ十日町育ち、こよなく地元を愛する観光協会スタッフ。 好きな食べ物は、レバ刺しとビール。